Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.557 Zeichen · 426 Bildschirme

Aozora Bunko

この間の手紙で、ぐみ頭につきいくらか歎息をおきかせしましたけれども、こういう思いがけない仕事で、現在の力でどんな風に仕事出来るかわかったし、小説をかいてゆく心持も柔かく重くなっていて決してわるくないし、うれしいのよ。この間一寸お目にかけたかしら、松屋のザラザラでうすくてペンがつかえないような原稿紙。あれに鉛筆で一行おきに写してもらってそれをなおしたのですが、悪いことばかりはないものなのね、松屋のあのひどい原稿紙だと鉛筆でかけるのよ。一行おきにかくのです。するとそう気もちにひっかからないの、目も楽ですし。それを清書すればいいわけです。

その上、一度印刷してあるものをなおしてゆくという程度の仕事が大変ふさわしいのね、書き下すほど疲れず、しかも十分仕事としての緊張があり、且つ〆切りもなく又枚数もなおす範囲で自由で至極工合がようございます。もう一つ「杉子」という小説があるのよ、短篇で。『新女苑』に出したもの。これも夏の休みの間に満足ゆく迄手を入れて見ます。

却って、夜よく眠り、気分もよく食べるものも美味しいの。ぐみ頭の件は、いく分気にいらないところもあるが、決してさしつかえなく、いく分改良して居ります。