Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.557 Zeichen · 426 Bildschirme
杉は愛すべき樹ですが檜ではありません。杉が自身の杉のねうちと分限を学び、檜の美しさ、まじりけない立派さを知ったとき、杉はこの地上のゆたかさにどんなに心をうたれるでしょう。その立派さを見あげ感動することの出来たよろこびを感じましょう。だがその身内を流れる涙があるでしょう。檜に生れて見たかったとは思わないでしょうか。傲慢な希望ではなく、生れるならよりよきものと存在したいという希いから。深い幸福感と感謝と悲しみとが一つ心の中にあります。
十三年に、生活に対する態度のこととして、こまこましたものを処分するようにということでした。そして一部そうしました。当時の生活の必要もあって。そのとき自分たちの生活の条件の不安定なことを考え、私がいないときどうであったかを考え合わせ、私がいなくてもいくらかでもゆうづうするものがありさえしたら、それを送ったりするだけの親切はうちのものも持っているだろうと思いました。十三年には書けなくて困却した年です。当時国男は今日ほど物がわからなくて、私たちの生活を一つのものとして考えることが出来ず、私のためは即ちあなたのためとは思えず、数々不快な問答がくりかえされました。