Japanische Klassiker mit Furigana
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げんだいしのちょうつがい
現代史の蝶つがい
宮本 百合子
Lesen Sie 現代史の蝶つがい (げんだいしのちょうつがい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.033 Zeichen · 18 Bildschirme
確実性とが語られた。
大体、これまでの日本には統計さえろくなのがなかった。とくに戦争中は各官庁が全く自身の統計を失った。民間の経済雑誌に、国際間の経済統計、生産指数などの発表されることを禁じた日本の軍部は、そうして世界の現実を人々の目からかくしたと同時に、非合理な戦争によって熱病のように混乱、高騰、崩壊する日本国内生産と経済事情を――人民生活の全面的な破壊の過程を人々の目からかくした。一九四六年のはじめに、仕事の必要からいくとおりかの統計が必要となって、内務省、厚生省、文部省その他を求めさがしたが、それらのすべてのところで与えられた答えは一つだった。何しろ戦争中は、統計がとられなかったので、と。もちろん、戦争の間にとられた統計はあったのだ。さもなくて、どうしてすべての若い女を勤労動員し、すべての学徒の、文科学生だけを前線にかり出すことが出来たろう。献金、献金、供出、供出と強要できたろう。八月十五日が来たとき、日本じゅうに灰色の煙をたててそれらの血ぬられた統計は焼却された。
官僚統計さえ、その多くは焼きすてられなければならなかったような日本の実状へ、新しく響く民主化の声は、世論、というものの意味を人々に知らせはじめた。