Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
りそうのおんな
理想の女
豊島 与志雄
Lesen Sie 理想の女 (りそうのおんな) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.162 Zeichen · 77 Bildschirme
そして夕方、座敷の隅に眠ってるみさ子を見出した時、私は泣きたいような心地になった。私はその側に惹きつけられた。みさ子は、片手を肩にかついだ恰好に布団から出して、すやすや眠っていた。私の気配を感じてか、夢をみてか、それとも無心にか、乳を吸う形に唇を動かした。その小さな濡った唇に、私は自分の唇を持っていった。それから俄に身を引いて後ろを顧みた。誰も居なかった。ああ私は誰に気兼ねをしたのであったか! 私はまた自分の口を、子供の柔かな頬へ持っていった。それから額へ唇をあてた。香りのある温い子供の肉体と心とが、私の唇に感ぜられた。我知らず涙が出て来た。布団から出てる手をそっと入れてやろうとすると、みさ子は眼を覚した。私はそれを胸に抱き上げてやった。なおむずかるので、立ち上って歩いてやろうとした。一足歩き出すと、室の入口に秀子が立って、じっと私の方を眺めていた。私は眼を外らした。秀子は歩み寄ってきた。私達は無言のうちに子供を受け渡しした。その後で私は、自分が如何に卑屈であるかを感じた。私は両の拳を握りしめて、秀子の方を睥みつけてやった。彼女は其処に坐って、子供に乳を含ました。