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Japanische Klassiker mit Furigana

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あまいのべ

甘い野辺

浜本 浩

Lesen Sie 甘い野辺 (あまいのべ) von 浜本 浩 (はまもとひろし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.835 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

子供の頃、私は菓子を食べたことがなかった。家が貧しかったし、また私の郷里の土佐の国では、その頃まで勤倹質素を旨とする風習が残っていたので、菓子はぜいたくなもののように考えられていたからである。

菓子を禁じられた子供たちは、いろいろと代用になるものを探して食べた。それは私たちだけではなく、どこでも田舎の子供なら同じことかもしれない。

早春には、まず芝の地下茎を噛んだ。糖分を貯えて越年した若い地下茎である。茅の穂のツバナは無味淡白だったが、噛めば舌端に甘い後味が残った。芝の地下茎も、茅花も、日当りのよい土手の斜面に自生した。

野薔薇の若芽は、好んで食べる子供と、嫌って食べない子供があった。したがって、その甘味は一般的でなかった。いつぞや銀座あたりの喫茶店で、何気なく卓上の砂糖をなめていたら、もう五十年も前に遊んだ故郷の野辺が、ふと瞼に浮んできた。つまり野薔薇の若芽と、間の抜けたビート糖の甘味にはどこか似通ったところがあるからであった。

子供たちが、いちばん糖分を要求する夏の季節になると、幸いなことに、私の故郷では、山野の至るところで、お菓子の代用になるものを発見することができた。