Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
自分が急に成熟した、ソレ者の女のように思われて来てなりません。わたくしに小意地の悪い阿娜気た気分が込み上げて来て、
「番頭さんが娘を若旦那の嫁に押付けるなんて、まるで御家騒動の発端みたいね」
と言いますと、池上はじっとわたくしの顔を見ていましたが、
「ばかなことを言う。蝶ちゃんなぞ察しもつくまいが、僕の家なぞというものは、未だに階級制度が喧しい家で、番頭は番頭クラス以外には決して縁組の野望なぞ持たないんだよ」
あの娘はあゝやって三四年、主人の家で行儀作法を見習って、それから大体定まっている嫁入先へ片付くのだ、と説明しました。
わたくしは、それを聴いてそうには違いあるまいとは思いながら、すでに騎虎の勢です。
「でも、万一ということもありますからね」
そして、そのおきみという娘が硝子戸の中へ入って来ても、平気で、むしろ、これ見よがしに、わたくしは、
「なにしろ、気をつけて頂戴よ」
と言うと同時に、そこでまた、弾んだ勢いから、わたくしは同じ火鉢に手を焙り合っている池上の煙草を持たない方の左の手首を「いや」というほど抓ってしまいましたのは自分ながら愕くほどでした。