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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

それは一度揺蕩とした世界を覗いたあとのものだけにその索寞感はむしろ、更に強い。僕は、それに堪え兼ねて尚更に魅惑的の月光を求める。そしてその月光とは何か、

「酒のときもあれば、女のときもある。古人の詩であることもある」

わたくしはちょっと不審かしく、

「だって、あんた、いつか女道楽ははたから無理に勧められるからするが、自分はいこじに童貞を守って反抗していると言ったじゃないの」

と訊いてみました。

すると、池上は、

「女道楽の女と、月光としての女とはわけが違うさ」

と言いました。

こゝまで来てわたくしは大体池上の話の落ちつきどころが判った気がしましたので、

「じゃ、その月光とかいうものの一人として今度、あたしがあなたの人身御供に上ったわけなのね」

だが、池上は首を振りました。

「違う。その反対だ」

池上はまだ彼の話の一途の途中と見え、わたくしの問いに向っては単にこれだけを答えたあとは、別に気にもせずに続けて彼のわが事を話し進みます。

「その酒をのみ、女に親しみ、古人の詩に触れるにつけ、僕はだん/\慾天になる危険性を悟って来た。一例として酒のことを採って話してみようか。