Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

土に起き臥しして――

土の精気を一ぱい吸い込んで――

あーあ、わたくしは、それによって久々振りに、わたくしに取って一向有難くもない乞食の子の血統なのを想い起させられたのでした。

そう思い到ると、わたくしはさらでだに「どうでもいゝや」という近頃の身の倦怠の残りの支えを悉皆取り外ずしてしまいました。何分間か十何分間か判らないがただぼんやりした無念無想の時間が私の上に過ぎ去りました。さて、全く崩折れてしまったあとの何にもない自分の内部をひょいと覗きますと、夕立のあと、蟻塚を蟻の子が粒々積み上げて直すように、「無」が「無」に向って頻りに粒々を積み上げています。

何の光りも無い暗闇の空洞の中で、「無」が「無」に向って――

わたくしはそれを感ずると、その粒々が何であるかは判らぬまゝに、頻りに涙ぐむのでした。この瀬戸になっても、自分の中に積み上げようとする力があるのか。いじらしいその力。

わたくしは何か励まされるものがあって、考えを構えるまでもなく前へ推し進みました。

「ときに、結婚の話は、どうなったの」

わたくしは言ってから、それがまるでわたくしの腹に無かったことなのに気付きました。