Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
それですのにこの不釣合いな用材は察するところ、以前こゝに大きな屋敷のあったものが他は取毀して、建物の一角だけ残され、新な母家にしたのではありますまいか。わたくしにこう思わせたのには、なお、理由がありました。大地の緩い傾斜に応ずるため末高に石を積んだ囲いの中へ、地均しの土を盛ったこの家の敷地は、この母家を一端にしてまだ/\広く奥深く屋敷跡らしい空地を残していましたから。
わたくしは少し佇む位置をずらして空地を覗きますと、家畜を飼ったあとらしい柵があったり、器械体操の金棒の設備があったりするその向うに、毀れかゝった土蔵倉と、京都三十三間堂のように横長い物置長屋とは、たとえ古びておれ、表の母家とは似ても似つかぬほど格式張った構えのものでした。
かみなりに家は焼かれて瓜の花
今年の桃の頃、初雷が鳴ったとき日本橋の寮で、雷嫌いのわたくしは座敷の中を周章て廻りました。そのときわたくしへの気休めに火鉢へ線香を立てながら、池上は季節は混ぜこぜに幾つか雷に関係のある古い俳句を呟きました。わたくしはその中から憶えていたものと見えまして、今思い出したのがこれでした。屋敷跡の様子は、俳句に素人のわたくしにもこの俳句の趣に似た哀愁と共に、ひょこんとした感じを与えるものがありました。