Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
「安宅先生はこういう家に生れたのかなあ――」と、わたくしを感慨無量にさすものがありました。
葛岡が張合抜けの顔をして来ました。
「誰もいないので裏の方まで探し廻った。先生の弟さんがいた」
と言いました。
「それよか、先生は?」
「養蚕の季に入ったので家の中がうるさいって、赤城の上へ勉強しに行かれたそうだ」
わたくしは多少ほっとした気持がないことはありませんでしたが、
「たぶんこんなことになりやしないかと思ったわ。あんたも運のいゝ方じゃなし、あたしだって同じことだし、で、どうする気」
葛岡は、その弟が二人に是非上って休んで行くよう、家の中で待っている由を告げ、しかし葛岡自身はあまり気が進まないらしく、今度は葛岡の方から「で、どうしよう」と言いました。
わたくしは、先生の実家や、きょうだいの様子を尚も見て置き度く、やはり、しばらく休んで行くことにしました。
拭き磨かれた台所の板ノ間が大部分で、そこを避け八畳ほどの畳敷に炉へ自在鈎で鉄瓶が釣った部屋であります。炉の端に私たちを招じた先生の弟は、土間の桑の若芽の束を指し、
「なにせ、養蚕期に入ったものですから、座敷はどれもその方に宛てゝあります。