Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
そして弟は、心から私たちに頼むように頭を下げましたので、葛岡まで緊張して、頭を下げ返しましたが、そのすぐあと弟は、また、負惜しみらしい口惜しそうな顔をして、
「なに、それも、養蚕さえも少し金になれば姉なぞはあてにせんでもいゝのですが、この養蚕というものも――」
繭は廉いし、たとえ繭の値が急に騰ったのにしろ、蚕を飼う桑が一定の桑畑しかない土地からそう余計に求められるものではない以上、掃き立てる枚数をいきなり多く増せるものではない。従ってたいした増収は期待出来ないという農村の実情を諄く述べ出しました。わたくしは、この辺が切上げどきと思って、
「いずれ、私たちもよく考えまして――」
と月並な挨拶をして葛岡と共に座を立ちました。私たちが土間の表口を出ると、その前から始めての客を恥しがり、羽目の蔭に隠れて様子を窺っていたらしい子供連れの若い田舎風のおかみさんが裏口から土間の中へそっと入りました。そしてその子供が私たちを送り出した弟に向って「おとっちゃん」と呼びかけましたところを見ると、この弟は既に妻子を持ちながら姉に鍼灸師受験準備を貢いで貰っていたのでしょうか。