Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

結構です。一度は土に流れてごらんなさい。きっと新鮮なものがあなたに見出されて来ますから。

さあ、今夜は、まだ少し早いけれど、あなた方明日は出発でしょう。身体を休めに臥ることにしましょう。」

その夜、わたくしは枕には就きましたが、御宮の川の雪解の水音が妙に二重に縺れて耳について眠られません。首を擡げ、聞耳を立てゝいると普通のなだらかな一重の音です。枕に就くとまた二重に縺れます。わたくしはふと気が付きました。先生がわたくしに気付かれないよう泣いていなされるのだ。どういうわけだか知らないけれど、泣かしといて上げましょう。涙はひえっとした先生の仰っしゃるばら/\になった氷のような骨の潤いになるのかも知れないから――

二重に縺れる水音を聞きながら、眠るともなく覚るともなく夜中の時刻を過すうち、また、ふと気がついてみると、部屋の中へ霧が忍び込み、ランプは夏蜜柑の切口を見るような円光を放っています。

襖を距てた宿の家族の居間で、「南が吹いて来たな、氷が割れるぞ」と呟く声が聞えます。

先生が二度ほど起きて壁の小窓へ、外を覗きに行ったのまで覚えていますが、それから先は、さすがに昼の疲れが出まして、わたくしも眠りに入りました。