Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
絵の紙の端に書いてある名前は粉れもしないわたくしの幼字で、その肩書には尋常三年生乙組としてありました。
もう一つの包は、兼ねて乞食の祖父からわたくしの父へ伝えられたと話では聞いていたが始めて見る、丸に鷹の羽のうち違いの紋のついている赤羅紗の巾着に、戸籍の謄本でした。
通夜の晩の夜更け、町も、堀川の水も静まって、犬の遠声だけが聞えます。階下では嘉六が母の弟の妻や娘を相手に冗談ばなしでもしているのでしょう。とき/″\例のちっ/\ちっという笑い声が聞えます。
凝り澄して放心したように照り下す夜更けの電灯の下で、これ等の母の遺物を眺めておりますと、遊び半分のように暮してしまった母の生涯にもいくつかの女の本能が貫いて流れているのが胸に映ります。
自分のいのちを子に持ち伝えさせようとする本能、その家のものになり切って家を子に持ち伝えさせようとする本能。ですがわたくしには、母が何でわたくしに臍の緒を包む包紙にわたくしの幼ない時分の学校の成績を取って遺して置いたか不審がられます。もう一度取上げると、小さな紙片が出ました。
蝶子さん、あたしの一番うれしかったのは、おまえさんが生れて、学校の成績もよく、いゝところの奥さんになれそうな見込みがあったことでした。