Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
けれども貪り食うのに逸って、ときどきは分ち与えるのを忘れることがあります。すると、呉れるとばかり思って眼をまじ/\と待受けていた片方は遂に辛抱し兼ね、一方が食い進んでちょうど食物が半分になった時分それからは自分の分だと手から食ものを横取って食べるのでした。取り上げられた方は、そこで始めて気が付き是非もないという顔で見過ごします。
さて、夫婦乞食は雪の中を店先や行人から一銭ずつ貰い集めて、夕近い頃、さすがに寒さに堪え兼ねてか、ふだん馴染で彼等に目をかける壺焼芋屋の軒先に入り、火の燠を貰っていつものように暖ろうとしました。壺焼芋屋の隣はおでん屋です。縄暖簾を掻き分けて一人の酔漢がよろめき出ながら、眼に当った夫婦乞食の女の方に向って揶揄いかけます。
「おめいみたいな貞女が女房になるなら、おいらも乞食になるぜ、なあ、おい、およごれの別嬪さん、様子のいゝの」
このときの男乞食の周章て方はありませんでした。矢庭に女乞食をしょぴいて一目散に遁げ出しました。そして酔漢が追い付けない距離まで遠のきますと、そこで男乞食は口惜しい声で仕返すのでした。
「奪れるものなら、奪ってみろ。