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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

しまもとき/″\潤いにあずかれる金銭上のことにかけても気前のよい人たちでした。たゞ一人、池上だけは、しまはあまり好きませんでした。若いに似合わず気持の奥底の知れない人だと言って敬遠する傾がありました。

しまは、わたくしがいつまでも土間に立っているのを見付けると、

「おや、お蝶さま、早く上ってご覧なさいましよ。蚤の市から競りが始まってしまったのでございます」

と言いました。わたくしは、そこで靴を脱ぎ、競りの場をすり脱けて母に「只今」の挨拶をしました。すると母は、

「蝶ちゃん、池上さんが退屈だから、あんたをご飯食べに連れてって、あげるとさ」

と言いました。

池上は意外なような顔付きで「そんなこたあ言やしない」と母を眺めましたが、母が空とぼけたような顔をしているのを見て、何か察した様子で、

「そうしてもいゝな。蝶ちゃん行こうか」

居ずまいを直しました。わたくしは、母が何か小細工をやってるなと感付かないこともございませんでしたけれども、娘として若い男とたゞ二人でどこかへ物を食べに連れて行かれることは始めてなので、珍らしく、それと池上は若旦那連の中ではわたくしには比較的感じがよい方なので、