Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
丸々と肥っていて、どこで貰ったか七つ八つぐらいの子供の着物を着せられていますのに異様な魅力がありました。
お秀は「まあ、可愛らしい」と言いました。お三は農家出らしい太い人差指で赤子の唇を捲り上げました。歯茎の間にちらりと白いものが見えます。
「ろくに乳も出ませんが、あんまり泣くので乳首を含ましてやると、この歯で噛むんでごぜえます。はあ」
「歯の生え際には歯茎が痒ゆいんだって言うことよ」
こどもは母親の指をうるさがって、意固地のように歯を食いしばる。するとお三は何か道具でも扱うようにこどもの鼻を抓みました。こどもははあと息をひいて口を開けます。
「まあ大きいのね、驚いた」
お秀には何か冒険のような気持が起りましたのでしょう。
「あたし、ためしに含ましてみたいわ」
お三は「汚のうござえますよ」と言いましたが、強いて止めさせる様子もなく、また赤子の顔の煤けを二三度掌で擦ってから言いました。
「仕合せだの、この餓鬼は、お嬢さんのおっぺえさ、銜えさして貰って」
お秀はまわりを見廻しました。わたくしがサブリ小屋に寝転んでいるには気が付かず外にあたりに誰も人はいませんでした。