Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
「文吉の奴、何だってこんな遠いところまで山椒の葉を採りに来るんだろう。橋に近いところにはまだあるのになあ」
と眼鏡の花田は思わず嘆声を上げます。すると兵庫島は、
「文公は、きにょうの晩、始めて来たんだが、一ばん柔かくてうまいこの山椒の葉をこないだ見つけといたのだと言ってた。あいつ変な奴でね――」
兵庫島は文吉が自然に対して不思議な感性を持っていることを語りました。――楓はお洒落で、幹を裸で天日に曝しとくのを嫌う。それでだん/\葉の茂りを下におろす。赤松は裸が好きで枝葉をだん/\梢の方へこき上げて行く。牛が向い風を嫌い、追風を好く――こんな観察を文吉がしていることを語りました。
「木の寿命なんかほんとに文公はよく当てるんだ」
劇場では楽屋番が起きたらしく窓の戸を開ける音がします。
「仕方がない。製紙場の社宅の方へ行こう」
「俺らも行こう。楽屋番のおっさんに見つかると、また、どやされるから」
「なにしろ、腹が減ってしょうがない」
「腹か、そうか、ちょっと待ちな」
兵庫島は、爪の長い手を熊手のようにして塵芥箱の中の屑を掻き廻しながら、
「なにしろ、劇場は不景気で、ろくなものも捨てないから」