Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
こゝの店の名物だという菊の花の味噌漬を飯の上に載せたお茶漬けを食べていますと、川づらでぴよ/\と鳴く声が頻りに聞えます。女中は料理場で捨てる食ものゝ屑に鴎が寄って来るのだと言いました。蹌踉蹌踉としながら、それでも池上は土産ものを提げてわたくしを家の門口まで送って呉れました。
母だけが長火鉢の前に丹前を着てまだ起きていました。わたくしが「只今」と挨拶して二階の部屋へ上って行くとき、母親は「あいよ、お帰り」と優しく答えながらなぜかじっと瞳を凝らして何か検分するような眼つきで私の様子を見詰めました。
一年あまりは過ぎました。わたくしをだん/\避けて行く葛岡の素振り、凜々しい運動の時間とは打って変って女らしさを見せる安宅先生。それも慣れてしまえばたいして気にもならず、わたくしは相変らず吉良、義光ちゃん、八重子を友だちにして庭園で無邪気に遊んで来ました。
年の暮です。学園の学課は月末の二十三日の昼でおしまいになり、二十四日を一日置いて二十五日には安宅先生の家で出入りの園生たちが集まってクリスマスをすることになっております。それから来年の七日までは正月休みという訳です。