Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

二十四日の朝、わたくしは二階の自分の部屋で、今学期だけで要らなくなった教科書や雑記帳の整理をしながら、来年は十八という娘盛りの齢になり、春の四月にはいよ/\高女程度を卒業して研究科へ入ることなど考えていますと、母から呼ばれて、知り合いへ年末の歳暮の品を届けることを言い付けられました。母は、こういう形式的な義理挨拶の妙に堅い女です。

第一に行くことになったのは学園へ通っては、特に世話になる安宅先生の宅です。実際のところは、去年の晩秋頃から理由もよく判らずにセンチメンタルになってしまった安宅先生を、気にしないまでもわたくしは少しうるさく感じ出し、五度のところは三度に、二度は一度にという工合に、安宅先生の宅へ立寄る足を抜いて来ました。近頃になっては一月に何回という僅な度数になりました。それできょうも億劫が先に立ちましたけれども、毎年の年末の礼儀だから仕方ありません。努めて気を励まし、母が用意して呉れた風呂敷包を持って出かけました。

道や空一面に濃く靄がかゝり、それに午前の陽が万遍なく映じて、色つきのジェリーの中を歩いて行くような感じの日でした。先生の別荘風の家は四角く肥えて一弁二弁、花片の端を外へ捲くり返している薔薇の莟のように見えました。