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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

男も男でなく、女も女でなくして、しかも相対の滋味は歴然と湛えている。高く歩む懐かしみ、雲の上で手に手を握るような労わり合い、これを悲壮と言おうか、それに伴なう涙はない。これを深刻と言おうか、それに伴なう重さがない。風に送られて二人は歩いて行く。

韻と律と腕を組んでいるようで、野も縹渺なれば、山も縹渺である。往き行きて櫟林を抜け、川上の丘のはずれの岸へ出て、そこから多那川を見下し、対岸の丘陵から秩父の山を見渡すときに二人は、超越の世界に超越の心情に充たされた神秘な男女のように自分たちを思い做された。

「いつまでも、こういうお友だちでいるんですね」

「えゝ、いつまでも」

二人は異常に健康な肉体を持っていた。有り剰るほど人体電気が蓄積された。二人は散歩に歩いている途中で急にどちらか駆け出す。それがランニングの競走のような形になり、必死に抜きつ抜かれつする。相手を押し負そうとし、勝たれそうになって相手を憎む。そういう感情は、たとえ仮装のものとはいえ、活溌であるだけに、流れるような汗と共に、心身を根底から捏ね返す。走る力も尽き果てゝ立ち止るとき、へと/\になった心身の中のどこかに再び澄んだ魂を感ずる。