Japanische Klassiker mit Furigana
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いきたにんぎょう
生きた人形
小川 未明
Lesen Sie 生きた人形 (いきたにんぎょう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.925 Zeichen · 10 Bildschirme
「一日だって、お母さんのことを思い出さない日とてなかった。」といって、青年は涙を落としました。
少女は、いま、彼をほんとうの兄だと信じて、疑うことができない。一時に、喜びと悲しみとで胸がいっぱいになって、張り裂けるようでありました。
「兄さん! 兄さん! ああ、私は、とうとう兄さんにめぐりあった。お母さん……なぜ死になされたの、お母さん……。」と、兄にすがりついたのでした。そして、もし、今日兄さんにめぐりあわなければ、晩には、あのおばあさんにつれられて、また遠く、どこかへいってしまったであろう……と話しました。
「それは、片目の白髪のおばあさんじゃなかったかい?」と、兄は聞きました。
「片目だったかもしれません。たいへんにしんせつな……。」
すると、かたわらに、いっさいの話を聞いていた主人も、また兄もびっくりして、
「あのおばあさんに、見こまれたら、どうしても逃げられはしないということだ。怖ろしいかどわかしのおばあさんなのだ! 仲間が、幾人あるかもわからない。きっと船着き場の町へ、おまえを売るつもりだったろう。なんにしても、早くこの町から逃げ出さなければいけない。