Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

Lesen Sie 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.598 Zeichen · 182 Bildschirme

Aozora Bunko

「うん、ちょうど野馬がいる。これへ乗って駈け付けることにしよう」

「よい思い付きにございます。では私もお供しましょう」

「刑部老人と千賀子殿とは、まさか野馬には乗れまいな。またお前達二人などは、急いで駈けつける必要はない。後からゆっくり来られるがよい」

こう云った時には慶正卿は、既に一匹の野馬の背へ、翻然として飛び乗っていた。

そうして飛び乗った、次の瞬間には、大森林を縫って走らせていた。

その後からこれも野馬に乗った碩寿翁が走らせていた。

はたしてこの頃丹生川平では、恐ろしい事件が起こっていた。

「さあ火をかけろ!」

「火で焼き切れ!」

「どうでも扉はひらかなければいけない」

洞窟の入り口に屯している、丹生川平の郷民達は、こう口々に喚きながら、枯れ木や枯れ草をうず高いまでに、洞窟の扉の前に積んだ。

茅野雄と浪江が郷民を切って、洞窟の内へ入り込んで、内から扉をとじてしまった。呼んでも呼んでも返辞をしない。扉をあけろと命じても、番人は返辞さえしようとしない。

で、郷民達はこう思った。

(茅野雄が番人を切り殺し、内側から閂をかって置いて内陣の方へ行ったのであろう)と。