Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしまんじどもえ
生死卍巴
国枝 史郎
Lesen Sie 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.598 Zeichen · 182 Bildschirme
例の鯖色の素晴らしい光が、両眼から燦然と輝いている。
と、歓喜の高い声が、洞窟の内へ響き渡った。これは覚明を初めとして、集まっていたほどの郷民が、両眼を備えた神像に対して、思わず上げた歓声なのであった。
しかしこの時意外の意外として、洞窟の外とも思われる辺りから、素晴らしく高い大勢の讃歌の声が聞こえてきた。
ここは洞窟の外である。
六尺ぐらいのアラ神の像を、神輿に舁きのせた数百の男女が、洞窟の入り口に屯していた。
数人の武士がその中にいたが、何と高手小手に縛られているではないか。醍醐弦四郎とその部下とであった。
そうして群衆は白河戸郷の、郷民達に他ならなかった。
その証拠には群衆の中に、以前に宮川茅野雄へ向かって、道を教えたことのある、また、同じ宮川茅野雄を、暗夜に襲って殺戮しようとした、老樵夫のような人物が――もっとも今は威厳と信仰とを、具現したような風采をしている――白河戸将監その人が、娘の小枝を側に立たせ、自身も神輿の横に立って、郷民達と讃歌をうたっていた。
見れば大勢の郷民の中に、巫女の千賀子も雑っていれば、刑部老人も雑っており、松倉屋勘右衛門も雑っていれば、杉次郎も弁太もお菊なども、同じように雑っていた。