Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしまんじどもえ
生死卍巴
国枝 史郎
Lesen Sie 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.598 Zeichen · 182 Bildschirme
嗜好に合わない。お美しい奥様のお傍に仕えて、何くれとなくお世話をして、「京助や、この衣裳はどう?」「よくお似合いでござります」「京助や、この櫛はどう?」「まことにお立派でござります」「京助や、今日の髪はどう?」「お綺麗なお髪にござります」「京助や、下駄をお出し」「はい、揃えましてござります」「京助や、供をしておいで」「お供いたすでござりましょう」――などと何くれとなくお世話をするのが、私には大変好もしい。お蔭で指は細くもなり、滑らかにもなり白くもなった。節立った指などというものはどうにも私の嗜好に合わない)
その京助という若い手代は、どういう性質の男なのであろう?
決して悪人でないばかりか、正直で忠実で働き好きで、そうして綺麗好きの若者であった。ただ小心だということと、腕力のないということと、男性よりも女性を好んで、男性に対すると無口になるが、女性に対するとお喋舌りになって、活き活きとしてくるという、そういう欠点があるばかりであった。
で、自然と松倉屋の主人の、勘右衛門に対しては不機嫌となるが、勘右衛門の女房のお菊に対すると、よきお小姓となるのであった。