Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうがいのかきね

生涯の垣根

室生 犀星

Lesen Sie 生涯の垣根 (しょうがいのかきね) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.267 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

た。いどころを厭がっていることも判るが、こんな派手なものがどうして好きになったのかと言ったら、民さんは派手なのも、くすんだのもみんな、好きずきですといい、彼もやっとそれを人間くさい解釈をして見て笑った。芭蕉は掘り返され近所のほしい人にも頒け、幹のほそい分はそのまま畑のわきに捨てさせた。わずか一本の芭蕉でも、根土を擁き込んだ重量は、それが二三本立のものになると荷車につけないと、重くて肩では運べなかった。彼は掘り返された土のどろどろした、荒廃の感じをどうまとめるかにも、頭が奪られた。そして次に起るもんだいは、どういう樹木をその芭蕉のあとにあしらうかということだった。何を持って来ても呼吸のあわない庭畳には、最後に彼は松よりほかにえらぶべき樹木のないことが、判って来た。

「松だね、松よりほかにないな。」

「だからわたしははじめっから松だといったんです。旦那は固くなるからといってつッぱねた。」

「松はいやだがやはり松だね。」

「松は掘り返して棄てるわけに行きませんよ、あいつは金を食う。」

「溜に行こう。」

彼は民さんと植木溜に出かけた。大森の奥の奥沢というところに、松ばかりの広大な植木溜があった。