Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかのおかあさん

田舎のお母さん

小川 未明

Lesen Sie 田舎のお母さん (いなかのおかあさん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.201 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

」と、心でいいながら、着物をぬいで、行李の中へしまってしまいました。

晩になって、おしごとがおわりました。彼女は自分のへやへはいってひとりになると、しみじみとして田舎のことが考えられました。行李から着物をとりだしました。村からあの峠をこして母親が町へ出て、機屋でこの反物を買い、家にかえってからせっせとぬって、おくってくださったのです。そう考えると、また、いくたびかこのぬいかけた着物を手にとりあげて、

「娘にあうかしら?」と、首をかしげて見入られたであろう母親のすがたさえ、目にうかんでくるのでした。

おみつは、お母さんの手紙を着物の上でひらいて、もういちどよみかえしているうちに、あついなみだが、おのずと目の中からわいてくるのをおぼえました。

「せっかく、おくってくださったのを、気に入らないなどいって、ばちがあたるわ。」

そう思うと、彼女は心からありがたく感じて、すぐにお礼の手紙を書いて、お母さんに出したのでした。

ある日、おみつはお嬢さんのおともをして、デパートへいったのであります。

「そんなじみな着物しかないの?」と、出がけにお嬢さんがおっしゃいました。