Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかもの
田舎者
豊島 与志雄
Lesen Sie 田舎者 (いなかもの) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.181 Zeichen · 26 Bildschirme
「寺井さんは、あなたですか。」
「はあ。」
怪訝そうなそっけない返事だった。がその時、岸本ははっきり思い出した。不揃いな髪の生え際と深々とした眼附……。だがそれだけで、ほかは夢想の彼女とまるで違っていた。束髪に結ってる髪が、わざとだかどうだか縮れ加減で変に少くさっぱりしていて、額が広く、それに似合って、すっきりした鼻と引緊った口と小さく尖った※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)――どこか混血児くさい顔立と皮膚。どう見ても三十歳以上に老けていた。その、夢想とちがってる彼女の姿が却って、岸本を落付かして、岸本はすぐに名乗ってみたのだが、彼女はただ微笑んでるきりで、感情を動かした様子は更に見えなかった。
「まあこちらへいらっしゃいよ。」
彼を窓のそばの席へ導いて、自分でコーヒーを入れてきて、彼にすすめながら、真正面にじろじろ彼の様子を眺めるのだった。ちっとも嫌な視線ではなかった。彼はぽつりぽつり話しだした。こんど上京してきたことと、依田氏を訪問したこと、彼女の噂をきいたこと……それから、彼女が黙って聞いてくれてるのに力を得て、昔彼女に逢ったのを覚えてることを依田氏に話して、初恋かとからかわれたことまで云ってしまった。