Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかもの

田舎者

豊島 与志雄

Lesen Sie 田舎者 (いなかもの) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.181 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

たが、そこで、彼等は声をはずませ、眼を輝かして、語りあってるのだった。そうだと主張する者は、何もかもその方へこじつけてしまい、そうでもあるまいと反対する者は、もっと確実な証拠を示せと唆かしてるかのようだった。犬小屋の中に四五羽の雀がとびこんできて、べちゃべちゃ囀ってるようなもので、喉が渇くと、サチ子を呼んでビールを求め、そのサチ子に向って、ねえそうだろうと同意を強いるのだったが、彼女はただ笑って取合わないけれど、その紅をぬった小さな唇から出る笑いは、雀の喧騒の中のカナリヤの声ほどの響きも立てなかった。

その喧騒のなかから、すっと背のびをして、角刈の肩のこけた男が立現われ、ふらふらと席を離れて、室の真中までくると、これより奥へふんごんで……と、首を縮め手足を張って、ゴリラみたいな恰好をしたかと見るまに、ひょいと潜り戸を押して、スタンドの向うにはいっていった。そこへサチ子が、すばやく、真顔になって、追いすがっていったので、彼は一寸とっつきを失って、スタンドによりかかり、いやに酔っ払いらしい息を長く吐いたが、サチ子の肩を片手で抱いたまま、くねくねと身を起して、いらっしゃい……と、しゃに力を入れてマダムの声色を使ったのだった。