Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかふうなヒューモレスク
田舎風なヒューモレスク
宮本 百合子
Lesen Sie 田舎風なヒューモレスク (いなかふうなヒューモレスク) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.790 Zeichen · 16 Bildschirme
勘助は、黙って考えていたが、はっきり勇吉の耳元で叫んだ。
「なる程、おらわるかった。折角おめえこの家焼きてえちゅうに止めだてしてわるかった。おらもじゃあ手伝ってくれべえよ」
勘助も粗朶火を手に持った。そして、消防の方に何だか合図し、穏かに、楽しそうな風体で、
「おらも助けてやるぞ、なあ勇吉どん」
と、ふすまをはずして持ち出し、土間のワラをかき集めては火をつけた。――このような見ものを村人は、村始まって見たことはなかった。何という面白そうな火つけ人! 勘助が、
「さて、次は何を焼くべえ、畳か」
といってあたりを見廻した時、いつの間にやら鎮まって、あっけにとられ、彼の所業を見守っていた勇吉が、いかにも面目なげにしおれ、小さい声で勘助にささやいた。
「もうええ」
勘助は、勇吉を眺め、やはり楽しそうにさらりといった。
「そうけ、じゃあやめべえ、おやすみなんしょ」
翌日、勇吉は、麦粉をもって勘助のところへ行った。
「はあ、何ともはあ……どうぞお前から皆によろしくいってくんさんしょ、いずれ何とかする気では居んが」
「そりゃ構うめえが……何だね……おれあたまげたぞ全く、どうなるかと思ったて。