Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんようどうき

申陽洞記

田中 貢太郎

Lesen Sie 申陽洞記 (しんようどうき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.175 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

大王はいきなりそれを口へ持って往った。李生はほっとしたが、それでも部下の者がどんなことをするかも判らないので気を許さなかった。

いつの間に集まってきたのか、三十個ばかりの部下の者が、目白押しに入口の処へ集まって、李生のくるのを待ち兼ねているようにしていた。李生は気味悪く思いながら寄って往った。

「私にも霊薬をいただかしてくだされ」

「あなたは神様だ、どうかその霊薬をくだされ」

「どうぞ、それを分けてくだされ」

彼らは口々に言いながら手を出した。李生は喜んだ。彼は石綿を片端から撮みとって、漏れなく皆の手へ渡してやった。

榻の上では大王が悶絶をはじめた。李生は飛んで往って榻の後ろの壁に懸けた二振の刀を執って、それを抜きながら振り返った。部下の者も皆悶絶をはじめてのた打っていた。

大王はもう動かなかった。李生はその刀を大王の首へ当てた。大王の首はころりと落ちた。李生は部下の方へ進んで往った。部下も片端から李生の刀を受けた。それが三十六個もあった。

三人の女は榻の傍へつっ伏して震えていた。李生はそれも妖怪であろうと思ったので、刀を持ってそれに迫って往った。

「助けてください、私達は怪しい者ではありません、ここへ連れられてきた者でございます」