Japanische Klassiker mit Furigana
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おとこぎらい
男ぎらい
豊島 与志雄
Lesen Sie 男ぎらい (おとこぎらい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.878 Zeichen · 18 Bildschirme
「あたしなんか、どうだっていいじゃないの。」
姐さんはもと芸者をしていたことがあるので、ひとから物を貰うのも貰わないのも、どうだっていいでしょう。けれど、私としては倉光さんからそのような物を貰うことが、なんだかへんでした。姐さんを差し置いて、という気もするし、あとが怖い、という気もするし、それからまた、ハンドバックにも帯留にも、犬や鼻糞の臭いがうつってるような気もしました。ちっとも有難くないばかりか、厄介にも思われました。
次に倉光さんに逢った時にちょっとお礼は言いましたが、つんと澄ましていてやりました。ぴかぴか光ってるポマードの髪が、憎らしくさえなりました。
「美枝ちゃんの気に入るかどうか分らなかったが、まあ我慢してくれよ。こんどまた、なにか見立ててくるよ。」
倉光さんは親しげな口を利き、どんな物が好きかなどと尋ねたりして、ウイスキーをいつもよりよけい飲みました。
物乞いじゃあるまいし、貰ってやるものか、と私は思い、なにか仕返しをしてやろうかとさえ考えました。
ところが、倉光さんばかりでなく、井上さんまで、私に物を持って来てくれました。模様のあるハンカチとか草履とかいうようなものです。