Japanische Klassiker mit Furigana
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おとこぎらい
男ぎらい
豊島 与志雄
Lesen Sie 男ぎらい (おとこぎらい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.878 Zeichen · 18 Bildschirme
姿を美しくするためのその衣裳を、男のひとは何と思ってるのか、すぐに脱ぎたがり、肌を出したがります。肌を出してもよいのは、むしろ女の方ではありますまいか。女の肌はなめらかでこまかく、革のような男の肌よりどんなに美しいか分りません。それに、男のひとはいったい不精です。耳垢をため、鼻糞をため、肱や膝はざらざらです。人前でも平気で、小指で耳垢をほじくったり、人差指で鼻糞をほじくったりします。倉光さんにせよ、井上さんにせよ、クロを撫でまわし、鼻糞をほじくったその穢ない手で、お菓子をつまんで食べます。女は、私だって姐さんだって、そんなことは決して致しません。
恥を知るがよい。そして廉恥心を持つがよい。
姐さんが、絽刺したハンドバックを、赤珊瑚の帯留を、私の前に並べて、これは倉光さんからのものだと言いました。あのひとの店にある品物ではなく、東京の町に出たついでに買って来たもので、ふだん、コーヒーや酒でいろいろお世話になっている。その礼心だとのことです。私はびっくりして、尋ねました。
「あたしにですって。お姐さんには?」
姐さんは切れの長い眼で私をきっと見て、それから突然ほほほと笑いました。