Japanische Klassiker mit Furigana
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まちのおひめさま
町のお姫さま
小川 未明
Lesen Sie 町のお姫さま (まちのおひめさま) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.941 Zeichen · 4 Bildschirme
昔、あるところに、さびしいところの大好きなお姫さまがありました。どんなにさびしいところでもいいから人の住んでいない、さびしいところがあったら、そこへいって住みたいといわれました。
お供のものは、お姫さまのお言葉だからしかたがありません。人のだれも住んでいない、山の中にでも、お姫さまのゆかれるところへは、ついていかなければなりません。
人里を遠く離れた山の中へ、いよいよお姫さまは移ることになりました。そして、お供のものもついてゆきました。
お姫さまの、歌をうたわれる声はたいへんに、よいお声でありました。また、たいへんに鳴り物をならすことがお上手でありました。琴や、笛や、笙を鳴らすことの名人でありました。だから平常、歌をおうたいになり、鳴り物を鳴らしておいでなさるときは、けっして、さびしいということはなかったのであります。
けれど、お供のものは、寂しい山の中に入って、毎日、つくねんとしていて、退屈でなりませんでした。そこにきました当座は、外に出て、山や、渓の景色をながめて珍しく思いましたが、じきに、同じ景色に飽きてしまいました。また、毎日、お姫さまのうたいなさる歌や、お鳴らしになる鳴り物の音にも飽きてしまった。