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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちょうないのにてんさい

町内の二天才

坂口 安吾

Lesen Sie 町内の二天才 (ちょうないのにてんさい) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.836 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

オーイ。メメズ小僧は、いねえだろうな? エ? いる? おかしいね。なんだって、いやがるんだろう。え? メメズ小僧ですか? あいつの名ですよ。どこにもぐってやがるか分らないから、みんながこう呼んでるんですよ。本当の名前なんぞ有るかどうか分りゃしないね。あそこが小僧のウチだから、のぞいてごらんなさい」

小僧のウチをのぞいてみると、貧相な汚い子供が、何かせッせと細工物をやってる。革の指輪に先の曲った針金をつけているのである。甚だ性質のよからぬ道具らしい。天元堂がのぞきこんでると、小僧は目をむいて、

「あっちへ行けよ」

「変った物をこしらえてるな」

「うるせえや」

「お前のところに将棋盤はあるか」

「…………」

「三十円賭けてやろうじゃないか」

「ほんとか?」

「むろんだ」

「ヘッヘ」

小僧はにわかにほくそ笑んで、天元堂を招じ入れたのである。小僧愛用の板の盤で指してみると、たしかに強い。天元堂が角を落して、三番棒で負かされた。彼と同格ぐらいのカがあるらしい。床屋の正坊なら、小僧が二枚落しても危いぐらいだ。賭け将棋の商売人をカモにしていただけあって、生き馬の目をぬくように機敏で勝負強い。