Japanische Klassiker mit Furigana
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がひつにいきるごじゅうねん
画筆に生きる五十年
上村 松園
Lesen Sie 画筆に生きる五十年 (がひつにいきるごじゅうねん) von 上村 松園 (うえむらしょうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.936 Zeichen · 27 Bildschirme
父は、私が生まれた年に亡くなりました。
家業は父から受け継いだ茶舗を、母が営んでおりました。祖父は、大阪町奉行であった大塩後素の甥に当たりまして、京都高倉の御召呉服商長野商店の支配人を永らくいたしておりました。祖父は、一時、主家の血統が絶えようとした時、縁つづきの人をさがし出し、この人を守り立てて主家再興に尽くしたというような、誠実と、精励をそなえた人であったそうでございます。家業柄、私の生まれ育ちましたのは、京都でもっとも繁華な四条御幸町でありました。一人の姉と共に、母の手一つで育てられたのでございます。
絵解きの手紙
口もろくに回らぬ時から絵が好きだったらしく、こんな笑い話があります。四つぐらいの時でした。お祭りか何かで、親戚の家へ一人で招ばれてゆきました。
その頃、木版画や錦絵を並べている店を私共は「絵やはん」と呼んでいました。「絵やはん」の前を通るとこれが目に止まり、絵がほしくてたまらなくなりました。しかし、幼いながら親戚の人に買ってというのは恥ずかしく、ようよう我慢していますと、丁度そこへ私の家の丁稚が来ました。そこで紙に円をかき、真中に四角をかき、その間に浪の模様をかきました。