Japanische Klassiker mit Furigana
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ちくけんだん
畜犬談
Lesen Sie 畜犬談 (ちくけんだん) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.173 Zeichen · 24 Bildschirme
その私の繰り返し繰り返し言った忠告が効を奏したのか、あるいは、かのシェパアドとの一戦にぶざまな惨敗を喫したせいか、ポチは、卑屈なほど柔弱な態度をとりはじめた。私といっしょに路を歩いて、他の犬がポチに吠えかけると、ポチは、
「ああ、いやだ、いやだ。野蛮ですねえ」
と言わんばかり、ひたすら私の気に入られようと上品ぶって、ぶるっと胴震いさせたり、相手の犬を、しかたのないやつだね、とさもさも憐れむように流し目で見て、そうして、私の顔色を伺い、へっへっへっと卑しい追従笑いするかのごとく、その様子のいやらしいったらなかった。
「一つも、いいところないじゃないか、こいつは。ひとの顔色ばかり伺っていやがる」
「あなたが、あまり、へんにかまうからですよ」家内は、はじめからポチに無関心であった。洗濯物など汚されたときはぶつぶつ言うが、あとはけろりとして、ポチポチと呼んで、めしを食わせたりなどしている。「性格が破産しちゃったんじゃないかしら」と笑っている。
「飼い主に、似てきたというわけかね」私は、いよいよ、にがにがしく思った。
七月にはいって、異変が起った。私たちは、やっと、東京の三鷹村に、建築最中の小さい家を見つけることができて、それの完成ししだい、一か月二十四円で貸してもらえるように、家主と契約の証書交して、そろそろ移転の仕度