Japanische Klassiker mit Furigana
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くじょしょうろく
痀女抄録
矢田 津世子
Lesen Sie 痀女抄録 (くじょしょうろく) von 矢田 津世子 (やだつせこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.578 Zeichen · 65 Bildschirme
あのカタログは唐雅堂で刷ったんだそうですが、調子が特によかったらしく、唐雅堂のおやじも鼻にしていましたが、どうも、あのカタログにプレミアムがつきそうなんでしてね、今朝も、はしりの書画屋が二人も朝食前に来たんで、何かと思ったら、ぜひ、余分があったら実費で分けてもらいたいってね。大したもんですよ」
蓼川家の売り立ての広告は、わたくしも先頃の新聞紙上で知っていた。この華族の売り立てカタログは数年前わたくしも見たことがあるけれど、仲々の豪華版だったと憶えている。このカタログでさえもが、好事家の手から手へ高値にさばかれるというようなことをきいて、わたくしは稀らしく思ったのであった。
葛岡氏は続けた。売り立て品の数々を挙げ、師匠の「山茶図」が八千二百円では廉すぎる、と頻りに言った。
師匠は黙ってきいて居られた。稍うつむきのその面には哀しげな苦笑がみえていた。
葛岡氏は茶を啜り、なおも、話しつづけた。
追記 「曼荼羅繍帳」については主として明石染人氏著「染織文様史の研究」を参考とした。
(昭和十四年七月)