Japanische Klassiker mit Furigana
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme
「駄目よ、譲治さんは!」
と、ナオミは私を睨みつけて、
「そんな気の弱いことを云っているから駄目なのよ。ダンスなんて云うものは、稽古ばかりじゃいくらやったって上手になりッこありゃしないわよ。人中へ出てずうずうしく踊っているうちに巧くなるものよ」
「そりゃあたしかにそうだろうけれども、僕にはその、ずうずうしさがないもんだから、………」
「じゃいいわよ、あたし独りでも出かけるから。………浜さんでもまアちゃんでも誘って行って、踊ってやるから」
「まアちゃんて云うのはこの間のマンドリン倶楽部の男だろう?」
「ええ、そうよ、あの人なんか一度も稽古しないくせに何処へでも出かけて行って相手構わず踊るもんだから、もうこの頃じゃすっかり巧くなっちゃったわ。譲治さんよりずっと上手だわ。だからずうずうしくしなけりゃ損よ。………ね、いらっしゃいよ、あたし譲治さんと踊って上げるわ。………ね、後生だから一緒に来て!………好い児、好い児、譲治さんはほんとに好い児!」
それで結局出かけることに話が極まると、今度は「何を着て行こう」でまた長いこと相談が始まりました。
「ちょっと譲治さん、どれがいいこと?」