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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

あの頬ッぺたの真っ赤なのも、疑いもなく頬紅をつけているので、おまけにそんなリボンの鉢巻をした恰好は、気の毒ながらどう考えても化け物としか思われません。

「おい、ナオミちゃん、………」

うっかり私はそう云ってしまって、急いでさんと云い直してから、

「あの女はあれでもお嬢さんなのかね?」

「ええ、そうよ、まるで淫売みたいだけれど、………」

「お前あの女を知ってるのかい?」

「知っているんじゃないけれど、よくまアちゃんから話を聞いたわ。ほら、頭へリボンを巻いてるでしょう。あのお嬢さんは眉毛が額のうんと上の方にあるので、それを隠すために鉢巻をして、別に眉毛を下の方へ画いてるんだって。ね、見て御覧なさいよ、あの眉毛は贋物なのよ」

「だけど顔だちはそんなに悪かないじゃないか。赤いものだの青いものだの、あんなにゴチャゴチャ塗り立ててるから可笑しいんだよ」

「つまり馬鹿よ」

ナオミはだんだん自信を恢復して来たらしく、己惚れの強い平素の口調で、云ってのけて、

「顔だちだって、いい事なんかありゃしないわ。あんな女を譲治さんは美人だと思うの?」

「美人と云うほどじゃないけれども、鼻も高いし、体つきも悪くはないし、普通に作ったら見られるだろうが」