Japanische Klassiker mit Furigana
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme
ダンスぐらい体の運動になるものはないと云うんで、あの方は寧ろその為めにやっておられるんです」
「そう? 浜さん」
と、ナオミが口を挟みました。
「そんなに運動になるのかしら?」
「ああ、なるとも。ダンスをやってたら冬でも一杯汗を掻いて、シャツがぐちゃぐちゃになるくらいだから、運動としては確かにいいね。おまけにシュレムスカヤ夫人のは、あの通り練習が猛烈だからね」
「あの夫人は日本語が分るのでしょうか?」
私がそう云って尋ねたのは、実はさっきからそれが気になっていたからでした。
「いや、日本語は殆ど分りません、大概英語でやっていますよ」
「英語はどうも、………スピーキングの方になると、僕は不得手だもんだから、………」
「なあに、みんな御同様でさあ。シュレムスカヤ夫人だって、非常なブロークン・イングリッシュで、僕等よりひどいくらいですから、ちっとも心配はありませんよ。それにダンスの稽古なんか、言葉はなんにも要りゃしません。ワン、トゥウ、スリーで、あとは身振りで分るんですから。………」
「おや、ナオミさん、いつお見えになりまして?」
と、その時彼女に声をかけたのは、あの白鼈甲の簪を挿した、支那金魚の婦人でした。