Japanische Klassiker mit Furigana
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らい
癩
島木 健作
Lesen Sie 癩 (らい) von 島木 健作 (しまきけんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.753 Zeichen · 74 Bildschirme
それは、結局はやはり病にむしばまれた彼の生気を失った肉体が原因であったのであろうか。――だが、時々は過去において彼をとらえた情熱が、再び暴風のようにその身裡をかけ巡ることがあった。太田は拳を固め、上気した熱い頬を感じながら、暗い独房のなかで若々しく興奮した。しかし次の瞬間にはすぐに「だが、それが何になる、死にかかっているお前にとって!」という意地のわるい囁きがきこえ、それは烈しい毒素のように一切の情熱をほろぼし、彼は再び冷たい死灰のような心に復るのであった。
太田がそうした状態にある時に、一方彼が日々眼の前に見るかの癩病人たちは、身体がもう半ば腐っておりながら、なんとその生活力の壮んなこと! 食欲は人の数倍も旺盛で、そのためにしばしば与えられた食物の争奪のためにつかみ合いが始まるほどであり――また性欲もおさえがたく強いらしく、夏のある夕べ、かの雑居房の四人がひとしきり猥らな話に興じたあげく、そのうちの一人が、いきなり四ツんばいになって動物のある時期の姿態を真似ながら、げらげらと笑い出したのを見た時には、太田は思わず、ああ、と声をあげ、人間の動物的な、盲目的な生の衝動の強さに打たれ、やがてはそれを憎み――生きるということの浅ましさに戦慄したのであった。