Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しろくれない

白くれない

夢野 久作

Lesen Sie 白くれない (しろくれない) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.846 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

「ウンウン。実に遣り切れんからねえ。夏になってから二貫目も殖えちゃ堪まらんよ」

「ヘヘヘ。私なんぞはお羨しいくらいで……」

「ところで在ったかい。いい処が……」

「ヘエ。それがで御座います。このズット向うの清滝ってえ処でげす」

「清滝……五里ばかりの山奥だな」

「ヘエ。市内よりも十度以上お涼しいんで夏知らずで御座います。そのお地面の前には氷のような谷川の水がドンドン流れておりますが、その向うが三間幅の県道なんで橋をお架けになればお宅のお自動車が楽に這入ります。結構な水の出る古井戸や、深い杉木立や、凝ったお庭造の遺跡が、山から参いります石筧の水と一所に附いておりますから御別荘に遊ばすなら手入らずなんで……」

「高価いだろう」

「それが滅法お安いんで……。まだそこいらに御別荘らしいものは一軒も御座いませんが、その界隈の地所でげすと、坪、五円でもいい顔を致しませんのに、その五六百坪ばかりは一円でも御の字と申しますんで……ヘエ。話ようでは五十銭ぐらいに負けはせぬかと……」

「プッ……馬鹿にしちゃいけない。そんな篦棒な話が……」

「イエイエ。それが旦那。シラ真剣なんで……ヘエ。