Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はくじつむ
白日夢
豊島 与志雄
Lesen Sie 白日夢 (はくじつむ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.672 Zeichen · 23 Bildschirme
それでも私は戸惑いをせずに、勝手知った茶の間へ通った。帽子とマントとを脱ぎすてて、次に羽織まで脱ぎ払って、長火鉢の前に腰を下し、先ず一服と煙草を吸ってみた。
所が、妙に勝手が悪かった。はてなと思って気がつくと、長火鉢の位置が変っていた。工合悪く据え直したものだな、という思いと一緒に、妻の顔付が頭に浮んだ。もう寝たのかなとは思ったが、「おい春子、」と呼んでみて、ひょいと顔を挙げると、眼の前に、室の入口の敷居の所に、背のすらりとしたハイカラな女が、眼を真円く見開いて立っていた。その威に打たれたわけではないけれど、私はぴょこりとお辞儀をした。
「いらっしゃい。あの……妻は何処へか……。」
云いかけているうちに、私は突然はっと気がついた。見ると向うの隅には、女中らしい見馴れない女が、笑ってるのか泣いてるのか分らない顔付で、私の方を見つめて立っていた。そして室の中の有様が、長火鉢から茶箪笥から釘に懸ってる衣服まで、自分の家とは全く様子が異っていた。しまった! と思うと同時に度を失って、もうどうにも我慢が出来なくなって、脱ぎ捨てた帽子とマントとを引掴み、「失礼しました、」