Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はくもくれん

白木蓮

豊島 与志雄

Lesen Sie 白木蓮 (はくもくれん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.039 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

」

そして彼女は宙に眼を据えて、何かを思い出そうとする様子で、言い続ける。

「それから、たしかなひとと結婚なさいと言ったわ。そしてまた言いなおしたの。一人のひとと結婚すると、また、二人めのひとと結婚するようになる。二人めのひとと結婚すると、また、三人めのひとと結婚するようになる……。」

「それで。」

「それだけよ。そして桃代さんは笑ったの。だけど、あたし、なんだかへんな気がして、忘れられないわ。」

「なあに、冗談だったろうよ。」

私は心にもないことを言ったものだ。桃代は喜美子を本当に愛していたのかも知れない。誰の手にも渡したくなかったのかも知れない。然しそれならば、喜美子を抱きすくめるとか、頬ずりをするとか、そんなことをどうしてしなかったのだろう。手を握られたこともないと、喜美子は言うのである。或は、肉体と肉体との接触などを桃代は極度に蔑視したのでもあろうか。

私は桃代の肉体を失った。だが、桃代はいつもまだその辺にいるような気がする。その桃代のために、喜美子に対してはただ、夢のような空しい愛情だけを持つことにしよう。喜美子はそれに丁度ふさわしい。白木蓮の花のような女だ。