Japanische Klassiker mit Furigana
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はくもくれん
白木蓮
豊島 与志雄
Lesen Sie 白木蓮 (はくもくれん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.039 Zeichen · 24 Bildschirme
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そのくせ、或はその故か、桃代がやって来ると、私はほっと安心する。こんな所の女にしてはいやに手の太い、すべてが大柄なぱっとした桃代は、その存在で、喜美子をかばいこんでしまうようだ。
桃代は若い妓などを連れて、蜜豆をつっつきに来るのだが、喜美子にやさしい眼差しと言葉を投げかける。白紙に包んだ葡萄糖の大きな塊りを、袂から取り出して彼女に与える。
「これ、なんだか知ってる。」
「あら、こないだも頂いたわ。」
そんな、前のことなどはどうでもいいという風に、桃代はナイフを借りて、小さな一片を切ってやる。
「食べてごらんなさい。うまいわよ。でも、一度にあまり食べると、下痢をするんですって。少しずつ食べるのよ。」
桃代は喜美子だけにしかやらない。それを、若い妓たちも、お上さんも、いつものことと馴れてるらしく、わきから手を出さない。――桃代はなんども葡萄糖の塊りを喜美子に持って来てくれた。
其後、喫茶店カツミを宇山かつはやめて、加津美だけをやるようになると、桃代は葡萄糖の代りに、長唄を喜美子に稽古してやった。喜美子は芸妓になるのではなかったが、一通りの遊芸事は習っていて、桃代が長唄の名取りであるところから、日時をきめず暇に任せて、桃代の方から進んで教えた。