Japanische Klassiker mit Furigana
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しろつばき
白椿
海若 藍平
Lesen Sie 白椿 (しろつばき) von 海若 藍平 (かいじゃくらんぺい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.775 Zeichen · 6 Bildschirme
そのうちに女の児は算術を済まして、読本を開いて、本に小さく鉛筆でつけてある仮名を皆消してしまいました。おさらいと明日の下読が済むと、筆入やカバンを奇麗に掃除して、鉛筆を上手に削って、時間表に合せた書物や雑記帳と一所に入れて机の上に正しく置きました。それから机の抽斗をあけてキチンと片づけて、押しこんだいたずら書きの紙屑や糸くずをちゃんと展ばして、紙は帳面に作り、糸は糸巻きに巻きました。その間のちえ子さんの極りのわるさ! 消えてしまいたい位でした。
女の児はそれから、台所で働いていらっしゃるお母様の処へ走って行って、手を突いて、
「お母さん、お手伝いさせて頂戴」
と云いました。
お母様はしばらくだまって女の児の顔を見ておいでになりましたが、濡れたままの手でいきなりしっかりと女の児を抱きしめて、
「まあ、お前はどうしてそんなによい子になったの」
と云いながら、涙をハラハラとお流しになりました。
白椿のちえ子さんは身を震わしてこの様子を見ておりました。ちえ子さんもお母さまからこんなにして可愛がられた事は今まで一度も無かったのです。あんまり羨ましくて情なくて口惜しくて、思わずホロホロと水晶のような露を机の上に落しました。