Japanische Klassiker mit Furigana
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しらぎく
白菊
夢野 久作
Lesen Sie 白菊 (しらぎく) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.486 Zeichen · 25 Bildschirme
虎蔵は眼をパチパチさせた。瞼をゴシゴシとこすって瞳を定めた。
部屋の中央には土耳古更紗を蔽うた、巨大な丸卓子が置いてある。その上には、さながらに、それ等の人形たちが遊び戯れた遺跡であるかのように、色々な食器、豆のような玩具、花籠、小さな犬、猫、鼠、猿、小鼠のたぐいが、殆んど数限りなく、行儀のいい円陣や、方陣を作って並んでいる。その間に静止している巨大な甲虫、華麗な蝶々、実物大の鳩、雛子、木兎……。
又、その丸卓子の周囲には、路易王朝好みのお乳母車、華奢な籐椅子、花で飾った揺籠、カンガルー型のロッキングなぞが、メリー・ゴー・ラウンド式に排列されている……そんなもの一つ一つにも、それぞれ様々の微笑を含んだ人形が、ピエロ姿の行列を作ってブラ下がったり、振袖姿で枕を並べたり、海水着のまま、魚のようにビックリした瞳をして重なり合ったりしている。
その中央の高い、暗い、円天井から、淡紅色の絹布に包まれた海月型のシャンデリヤが酸漿のように吊り下っていたが、その絹地に柔らげられた、まぼろしのような光線が、部屋中の人形を、さながらに生きたお伽話のようにホノボノと、神秘めかしく照し出しているのであった。