Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しらぎく

白菊

夢野 久作

Lesen Sie 白菊 (しらぎく) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.486 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

すると、その時に、お合羽さんの女の児が、つながり合った手を無邪気に引離しながらチョコチョコ走りに廊下を伝わって、真綿の白靴をひるがえしひるがえし石の段々を一つ一つに登って行った。そうしてサモサモ嬉しそうに扉の把手を押しながら、内側へ消え込んで行ったが、やがて間もなく、眼をマン丸にして重たい扉を引き開くと、一散に階段を馳け降りて来た。

若い女性は、それを見迎えながら微笑した。

「……まあ……あぶない……ゆっくりオンリしていらっしゃい」

しかし女の児は聴かなかった。

可愛いお合羽さんを左右に振りながら、若い女性のパジャマの裾に縋り付いた。

「……いいえ……お母チャマ大変よ……アノネ……アノネ……アタチ……アノお人形のお姫チャマのおめざを、いただきに行ったのよ……ソウチタラネ……」

と云いさして女の児は息を切らした。

「ホホホ……チュウチュが引いていたのですか」

女の児は一層眼を丸くして頭を振った。

「……イイエ。お母チャマ……ソウチタラネ……お部屋の中が泥ダラケなのよ……」

「……エ……」

若い女性は顔の色をなくした。女の児の顔をシゲシゲと見下した。

「……ソウチタラネ……アノお人形のお姫チャマのお枕元に、大きい、白い菊の花が置いてあったのよ」