Japanische Klassiker mit Furigana
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しろへびのし
白蛇の死
海野 十三
Lesen Sie 白蛇の死 (しろへびのし) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.881 Zeichen · 24 Bildschirme
「初めは冗談だと思ったんですよ。けれど、様子が可怪しいんでしょう。だから驚いちゃって――」
「一体、君が此処へ帰って来るまで、詰りお由さんが一人で此処に残っていた時間は、どの位だったの」
「三分とは経っちゃいないんです」
「三分? そして君が帰って来た時、この露路に誰も人は見えなかった?」
「ええ。はっきり覚えてはいないけれど、たしか誰も見えませんでした」
が、其時何故か変電所の四角な窓が、爛々と輝いていた事を青年は不図思い浮べた。
「困ったね、何方にしても。どうする君は?」
土岐の言葉に、急に自分の立場をはっきり思い起して、国太郎は忽ち竦むように頭を抱てしまった。
「僕は、僕は殺されますよ。きっと、なぶり殺しにあわされるんだ!」
それは何んとも言えなかった。
一体お由は、今戸町に店を持っている相当手広い牛肉店加藤吉蔵の妾兼女房なのであった。が、悪い事にはこの吉蔵が博徒の親分で、昔「痩馬の吉」と名乗って売り出してから、今では「今戸の親分」で通る広い顔になっている。しかもお由はその吉蔵親分の恋女房であった。
今から五年ばかり前、お由がまだ二十歳で或る工場に働いていた頃、何処の工場でもそうであるが、夕方になるとボイラーから排出される多量な温湯が庭の隅の風呂桶へ引かれて、そこで職工達の一日の汗を流すことになっている。