Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しろあり

白蟻

小栗 虫太郎

Lesen Sie 白蟻 (しろあり) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.099 Zeichen · 106 Bildschirme

Aozora Bunko

けれども、その二つだけは、奇妙にも、血や泥で汚されてはいなかった。しかし、それ以外の鹿子色をした皮膚は、ドス黒くこびりついた、血に塗れていて、ことに半面のほうは、逃げようと悶えながら、岩壁に摺りつけたせいか、繊維の中にまで泥が浸み込み、絶えず脂とも、血ともつかぬようなものが、滴り落ちていた。それであるから、仔鹿の形は、ちょうど置燈籠を、半分から截ち割ったようであって、いくぶんそれが、陰惨な色調を救っているように思えた。

十四郎は、熱した脂肪の跳ねを、右眼にうけたと見えて、額から斜かいに繃帯していたが、そのかたわらに仔鹿を挾んで、くら、喜惣、滝人の三人が、寝転んでいる時江と向き合っていた。するとにわかに松薪が燃え上がり、室中が銅色に染まって明るくなった。そして、暗闇があった所から、染めたくらの髪や舌舐めずりしている喜惣の真赤な口などが、異様にちらつきだしたかと思うと、仔鹿の胴体も、その熱のためにむくむく膨れてきて、たまらない臭気が食道から吹きはじめると、腿の二山の間からも、透き通った、なんとも知れぬ臓腑の先が垂れ下がってきた。それを見ると、十四郎は鉄弓を穏やかに廻しながら、